ThinkPad P14s Gen 5は、Lenovoが展開するモバイルワークステーションシリーズのひとつです。優れた機能性と携帯性を両立しています。
加えて、AMD Ryzen 8000シリーズやAI処理専用のNPUを搭載し、最大96GBメモリと2TB SSDに対応するなど、ワークステーションレベルの処理能力を有するのも特徴。14インチながら最軽量モデルで1.31kgという軽量設計を実現し、CADソフトや動画編集などの専門的な作業を外出先でも快適に行えるのが魅力です。
ISV認証取得により業務用ソフトとの互換性も保証されており、エンジニアやクリエイターにとって理想的な「持ち運べるワークステーション」として注目されています。
本記事では、そんなThinkPad P14s Gen 5の詳しいスペックや特徴、おすすめのユーザー層について解説します。
ThinkPad P14sのスペック
ThinkPad P14sは、Lenovoから発表されているモバイルワークステーションです。CPUには高性能なAMD Ryzen 5 PRO 8640HSまたはRyzen 7 PRO 8840HSが採用されており、AI処理専用コアであるNPU内蔵のRyzen 8000シリーズが採用されているモデルもあります。
メモリはDDR5-5600MHz規格で、最大96GBまで拡張可能。ストレージは高速なPCIe 4.0 SSDが最大2TBまで選択できます。また、14インチディスプレイには16:10のアスペクト比が採用されており、WUXGAから2.8K OLEDまで選択可能。sRGB 100%やDCI-P3 100%の広色域モデルも用意されています。
本体サイズは315.9×223.7×17.7mmとコンパクト。なかには本体重量が1.31kgのモデルもあり、優れた軽量性を実現しています。
下記は、ThinkPad P14sの詳しいスペックです。

項目 | 仕様 |
---|---|
CPU | AMD Ryzen 5 PRO 8640HS / Ryzen 7 PRO 8840HS |
メモリ | DDR5-5600MHz 最大96GB(2スロット) |
ストレージ | SSD PCIe 4.0 最大2TB |
グラフィックス | AMD Radeon 760M(内蔵グラフィックス) |
ディスプレイ | 14インチ(16:10)<br>・WUXGA IPS(1920×1200)<br>・2.8K OLED(2800×1800) |
色域 | NTSC 45% / sRGB 100% / DCI-P3 100% |
輝度 | 400nit / 500nit |
OS | Windows 11 Home / Pro |
WEBカメラ | 500万画素(約2.8K解像度) |
生体認証 | 指紋センサー / 顔認証(IRカメラ) |
通信 | Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3、5G対応(オプション) |
有線LAN | ギガビットイーサネット |
インターフェース | Thunderbolt 4×2、USB 3.2 Gen 1×2、HDMI |
寸法 | 315.9×223.7×17.7mm |
重量 | 1.31kg~ |
バッテリー | 39.3Whr / 52.5Whr |
ThinkPad P14sの特徴
続いて、ThinkPad P14sの特徴を5つの項目に分けて解説します。
- ThinkPad Pシリーズの位置付け
- NPU搭載のAI PC
- メモリ最大96GB
- 高いセキュリティ性能
- モバイルワークステーションとしては持ち運びしやすい軽量設計
ひとつずつ見ていきましょう。
1. ThinkPad Pシリーズの位置付け
ThinkPadのPシリーズは、Lenovoが手掛けるワークステーションのひとつとして位置付けられています。
Pシリーズは、設計・開発・映像編集といった専門的な作業に対応できる高性能と、優れた処理能力を兼ね備えたプロフェッショナル向けのシリーズです。また、P14sは「P1ほどの高いスペックは必要ないものの、EシリーズやTシリーズでは物足りない」というユーザー層に適しています。
据え置き型ワークステーションと同等のスペックを実現しつつ、携行性を犠牲にしない「持ち運べるワークステーション」として、バランスの取れた仕様に仕上げられているのがPシリーズの魅力です。
2. NPU搭載のAI PC
ThinkPad P14sは、AI処理専用チップであるNPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)が搭載されているのが特徴です。
NPUはWindows Studio エフェクトやPhotoshopの一部機能など対応アプリが限られていますが、今後のAI機能拡充に備えた仕様となっているのが魅力です。また、NPUにより、従来CPUやGPUが担っていたAI処理を専用チップで効率的に行えるため、バッテリー消費を抑えながら高速なAI処理が行えます。
加えて、MicrosoftのAIアシスタントとの連携が可能なのもポイント。今後登場するAI対応アプリでの作業効率化も期待できます。
3. メモリ最大96GB
DDR5-5600MHz対応のメモリスロットが2基搭載されているのも、ThinkPad P14sの特徴のひとつです。最大96GB(48GB×2枚)の大容量メモリに対応しています。
また、2枚組み構成によるデュアルチャンネルが採用されているのもポイント。CADソフトの利用や動画編集、データ解析など、メモリを大量に消費する専門的な作業も快適に行えます。
4. 高いセキュリティ性能
ThinkPad P14sには、優れたセキュリティ性が備わっています。ハードウェアレベルでdTPM 2.0(ディスクリート・トラステッド・プラットフォーム・モジュール)が搭載されており、暗号鍵や認証情報を安全に管理できるのが特徴です。
また、生体認証は指紋認証センサーと顔認証(IRカメラ)の両方に対応しており、パスワード入力なしで迅速かつ安全なログインが可能。Webカメラには物理的なプライバシーシャッターが搭載されています。ワンタッチでレンズが遮断でき、誤作動や不正アクセスなどによるのぞき見リスクを軽減できるのが魅力です。
さらに、Lenovo独自のThinkShieldセキュリティソリューションが備わっているのもポイント。BIOSからOS、アプリやクラウドに至るまで、多層的な保護が実現されています。
5. モバイルワークステーションとしては持ち運びしやすい軽量設計
ワークステーションの性能を持ちつつ、モデルによっては1.31kgという軽量設計を実現しているのもThinkPad P14sの魅力です。これは、一般的な14インチノートパソコンと変わらない携帯性を誇ります。
加えて、本体サイズも315.9×223.7×17.7mmとコンパクトで、出張や現場作業が多いエンジニアやクリエイターにおすすめなのもポイントです。
従来のワークステーションは、高性能と引き換えに重たいモデルが多く、持ち運びには不向きでした。しかし、P14sには、モバイルワークステーションとしては持ち運びしやすい軽量設計が採用されています。
ThinkPad P14sはこんな人におすすめ

ThinkPad P14sは、下記のような方々におすすめです。
- 外出先でも使いたいエンジニア・クリエイター
- AI機能を活用したいユーザー
それぞれ解説します。
外出先でも使いたいエンジニア・クリエイター
ThinkPad P14sは、外出先や現場での作業が多いエンジニアや、映像・デザイン系のプロフェッショナルにおすすめです。堅牢な筐体にスペックの高いCPUとオプションが搭載されており、AutoCADやPhotoshop、Premiere Proといったソフトが快適に使用できます。
加えて、1.31kgからという軽量設計により、出張先や客先でも本格的な制作・設計作業が可能。オフィスと変わらない作業環境が実現できます。また、ISV認証も取得済みで、業務用ソフトウェアとの互換性や動作安定性も保証されているため、重要なプロジェクトでも安心して使用可能です。
「パワフルな性能が欲しいけど、据え置き型ワークステーションは重すぎる」というニーズに応える、持ち運びやすさと処理性能の両立を実現したモデルです。
AI機能を活用したいユーザー
ThinkPad P14sは、AI機能を活用したいユーザーにもおすすめです。AI処理専用のNPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)が搭載されており、Copilot PCに準拠しています。
また、AMDのRyzen AI PRO 300シリーズやIntel Core Ultra シリーズといった最新CPUにより、AIアシスタント機能やAI処理による作業効率化を実現できるのもポイント。Windows Studio エフェクトやPhotoshopなどのアプリに対応しています。加えて、NPUにより効率的にAI処理を実行できるため、バッテリー消費を抑えながら高速なAI支援機能を利用可能です。
Microsoft Copilotとの連携や、今後登場するAI対応アプリでの生産性向上を期待するユーザーにとって、今後を見据えた価値の高いモデルと言えます。
ThinkPad P14sのデメリット
ThinkPad P14sには、購入前に把握しておきたいデメリットがあります。とくに重要なのは、軽量化を優先した設計により、ファンとヒートパイプが各1つずつしか搭載されていないことです。そのため、高負荷な作業を長時間続けるような使い方には向いていません。排熱性能が低価格モデルと同等レベルのため、重い処理を継続すると発熱による性能低下が起こりやすくなります。
また、グラフィック性能についてもシングルチャンネルメモリ構成では期待したほど高いスコアは出ないため、メモリを2枚組みにする必要があります。
メイン機としての使用よりも、外出先での補助的な使用や、機動性を重視する用途におすすめです。
ThinkPad P14sを安く買いたいなら、再生品がおすすめ
ThinkPad P14sをコストを抑えて購入したい方には、新品未使用品・再生品がおすすめです。
加賀マイクロソリューションの公式オンラインストアでは、Lenovo ThinkPad P14s Gen 5が10万円台から購入可能です。ThinkPad P14sを安く手に入れたい方は、ぜひチェックしてみてください。
画面サイズが大きなモデルを探している方には、ThinkPad P16sがおすすめ

ThinkPad P14sより大きな画面で作業したい方には、ThinkPad P16sがおすすめです。16インチの大画面により作業領域が広く、マルチタスクや細かい作業がより効率的に行えます。とくにCADや解析業務など、広い作業スペースが求められる用途におすすめです。
また、P16sにはテンキー付きのフルキーボードが搭載されているため、数値入力の多い表計算や経理作業にも便利。CPUやメモリなどの基本仕様はP14sとほぼ同等で、最大96GBメモリや高速SSD、500万画素Webカメラなど充実したスペックを維持しながら、より快適な作業環境が確保できます。